2023年2月9日、「ポーの一族 青のパンドラ」第1巻が刊行されました。「エディス」のラストでアランが火の中に消えてから、エドガーはどうしていたのか。アランの復活に向けて、エドガーが大老ポーとともにポーの一族の壮大な歴史をたどる物語です。→「ポーの一族 青のパンドラ」
1976年、ロンドンのエヴァンズ古物商の火災現場でエドガーとアランの姿は消え、以後、消息不明となる。そして2016年、エドガーは「アランが入っている」というトランクを抱いて、ミュンヘンのファルカたちの前に現れた。エドガーは、もとの姿をほとんどとどめてない状態のアランの「復活」を切望していた。だがその方法を知るというバリーは一族から危険視されている異端児で…?
「ポーの一族 青のパンドラ」第1巻p4
「青のパンドラ」はロンドンのアーサーの館へエドガーがバリーを連れてやってくるところから始まります。バリーはアランと友だちだったと言い、それはカタコンペにアランを連れていったりした「ユニコーン」での出来事を指します。そこからファルカと連絡をとったり、大老ポーがファルカの家に現れたりして、舞台はベニスのサン・ミケーレ島に移ります。ベラに預けていた「血の神」の入った壺を受けとり、今度はイングランドのヨークに移動します。その間、大老ポーはフォンティーンやバリーとのかかわりや一族の成り立ちを含めた歴史をエドガーに語ります。それがもう壮大で、何度も読み返さないと覚えられません。そしてキーとなる「壺」「血の神」のことも先生がおっしゃるには「SFっぽい」展開となっています。
表紙は「青のパンドラ」第1回の見開き扉絵。金の月のゴンドラをこぐエドガーとアラン、そして青い背景が美しい。
アランが完全に復活するまでにまだ物語は続きそうです。「炎の剣」を手に入れたバリーは?アルゴスはこの後どうするつもりなのか?
番外編シリーズ「火曜日はダイエット」が飛んで先に「満月の夜」が「秘密の花園」2巻に収録されていたので、あれ?と思っていましたが、この単行本に収録されて、安心しました。すでに発表されている番外編シリーズはこれで最後です。