2026年10月21日、帝国ホテル東京にて第71回小学館漫画賞贈呈式が行われました。これは当初3月に予定されていたものでしたが、2月末に判明したマンガワン事案への影響から、延期されていたものです。冒頭、相賀信宏社長より説明がありました。
小学館漫画賞の贈呈式に萩尾望都 作家に向いていないと悩んだ時期を回想、恩人に感謝(コミックナタリー)
『運命の巻戻士』は子供の「漫画を読む力」を引き上げた? 「第71回小学館漫画賞」贈呈式で島本和彦が賛辞贈る(real sound)
登壇された方は以下の方々(敬称略)
受賞者:木村風太「運命の巻戻士」、田村隆平「COSMOS」、龍幸伸「ダンダダン」、江口夏実「出禁のモグラ」、真造圭伍「ひらやすみ」、萩尾望都
審査委員:川村元気、嶋木あこ、島本和彦、曽山一寿、高瀬志帆、ブルボン小林、松本大洋
小学館漫画賞、このところ全員が登壇することは珍しく、1人か2人は代理の方が登壇されます。久しぶりに全員登壇した、とのこと。後から写真を見ると「運命の巻戻士」の木村風太先生だけが顔出しOKなんですね。「ダンダダン」(集英社)、「出禁のモグラ」(講談社)が他の出版社から。田村龍平先生が『ジャンプ』出身者でその後『サンデー』に移籍しているのですが、冒頭から「昔から『サンデー』っぽいと言われ続けた」と笑いをさらっていました。
小学館漫画賞は第69回から児童向け、少年向け、少女向け、一般向けの部門が取り払われました。児童向け作品は第70回に「ぷにるはかわいいスライム」、第71回に「運命の巻戻士」が選出されています。「運命の巻戻士」の講評をされたのが曽山一寿先生。大人気長寿漫画「絶体絶命でんぢゃらすじーさん」の作者ですが、最初に登壇された曽山先生のハイテンションは作品と同じでした。
萩尾望都先生の受賞理由は「日本の漫画が“文学・芸術”として評価される礎を築き、国際的な海賊版対策においても先導に立たれた功績に対して」というもので、皆さん、この「国際的な海賊版対策において先導に建たれた」についてご存じないようでしたが、国連の海賊版対策のシンポジウムに参加されていたりします(IGF2023に萩尾望都先生が登壇されます)。尚、萩尾望都先生は「ポーの一族」「11人いる!」で第21回(1975年度)の小学館漫画賞を受賞されています。
萩尾先生のご挨拶は以下の通り(概要です)
講談社でデビューはしましたが、ネームを送ってはボツになり、プロットを送ってはボツになりというのが続いていました。自分はマンガ家に向かないのではと悩んでいたんですけれど、小学館の編集者である山本順也さんに出会い、ボツになった原稿を見てもらったら「俺が全部買ってやるよ」って言われて、小学館に場を移し、仕事をさせていただきました。彼は私の原稿を黙って受け取って、自分が読んだ小説の感想とか、映画の感想なんかを時々話される。私の作品に関しては何も言わず、ただただ場を用意してくださった。本当にそれがどんなに大切で、貴重なことだったのか。何度も何度も描いてきて、やっとこの頃気がつきました。作家にとって、描く場所があって、載せる本があって、その本を出版してくれる出版社がある、それは本当にありがたいことです。小学館が長年にわたってそういう場を提供してくださったこと、本当に感謝しています。これからもどんどん若い人を育て、雑誌を育てて、描く場を提供してくださることを望んでいます。本当にどうもありがとうございました。
萩尾先生は小学館の関係でご挨拶をされるとき、必ず小学館での最初の編集者である山本順也さんのお名前をあげられます。それだけ恩のある方なんだなと思います。そして、萩尾先生も義理堅い方だなぁと思います。




