2022年9月15日に刊行された「ベルサイユのばら アニバーサリーブック―愛と感謝の50周年」に萩尾望都先生がそれぞれ2ページの作品とエッセイを寄せられています。作品は”ふしぎなエピソード編トリビュート「ポーの村のジェローデル」、エッセイは「もっとオスカル様を!」です。
「ベルサイユのばら アニバーサリーブック」は今年連載開始50周年を迎えた「ベルサイユのばら」の特集本で、2022年9月17日から始まった「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展」に合わせて刊行されました。
萩尾先生の2ページの作品は「ポーの一族」のエドガーと「ベルサイユのばら」のジェローデルが対話している作品です。萩尾先生がこの作品を何故描かれたかというと、2018年に「ベルサイユのばら」にポーの村が登場するからです。
池田理代子先生の「ベルサイユのばら」の読み切りシリーズ「エピソード9」は“ジェローデルがポーの一族に流れ着く”というエピソードで締めくくられました。このエピソードは2018年2月5日発売『マーガレット』第5号に掲載され、2018年3月23日に発売された「ベルサイユのばら」第14巻に収録されています。
「ベルサイユのばら」ロザリー編完結、「ポーの一族」とのリンクも明らかに(コミックナタリー)
池田先生サイドからこの作品を描くことの許可を打診されたエピソードも含め、萩尾先生にとっての「ベルサイユのばら」に関するエッセイになっています。
私がこのベルばらアニバーサリーブックに萩尾先生が寄稿されていることを知ったのは、萩尾望都SF原画展の小池修一郎先生との対談イベントの中でのことでした。萩尾先生は自分の絵が地味だと主張され、最近の例として「ベルばらの本の中に私の絵が入ると地味なのよ」とおっしゃって、小池先生がそれに疑問を呈していらっしゃいました。若い頃『少女コミック』に「ポーの一族」「トーマの心臓」などを連載していた頃は本当に巻末が多くて、「地味」な扱いだったのは少女マンガ誌がそういう時代だったからです。今でもその頃の記憶が深く入り込んでいる萩尾先生なのでした。
「愛と感謝の50周年 ベルサイユのばら アニバーサリーブック」
集英社 2022年9月20日 ISBN978-4-08-790083-5
「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展ーベルばらは永遠にー」
会期:2022年9月17日~11月20日
会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ展望台)